広がる水質汚染。僕たちができることは?
「水の惑星」と呼ばれる地球。
大多数の生き物は、水がないと生きていくことができません。
かくいう僕たちも、水は必要不可欠です。
その水が今、汚染され、枯渇していることをご存知ですか?
今日は環境問題と水について探っていきましょう。
人類が使う「水」
僕たち人間が飲み、生活に使っている水は、
淡水と呼ばれるものです。
真水ともいいますが、要は塩分が含まれていない純粋な水です。
さてここで問題です。
生き物が使える・飲める水は、地球の水の何%でしょうか?
1%くらいでしょうか?それとも0.1%?
正解は、0.01%です。
地球の水が1リットルだとしたら、生物が使えるのは10ミリリットルほどしかありません。
しかも、これは人間に関わらずすべての生き物が使える淡水です。
ほかの動物たちも使っているため、人類が本当に利用できる水は、
0.01%未満です。
では、どのような経緯で、現在の水問題が生じているのか、紹介します。
水が汚染され始めている
僕たちが使えるたった0.01%の水。そのわずかな資源が今、人間の手によって汚染されています。
主な原因は2つ。
まず一つ目は、「工場排水」です。
歴史を見ると、例えば 水俣病の原因も工場による排水問題があります。
有機水銀と呼ばれる有害な物質を海に流し、近隣の魚が摂取します。
その魚を人間が食べることで、被害が広がったのです。
現在では、排水の規制や技術が発達したため、日本ではあまり見かけなくなった排水問題。
しかし、世界規模で見ると、まだまだ解決ができていないどころか、悪化しています。
発展途上国などでは、まだ技術が完全でないまま、工場の運営が行われているからです。
2つ目は、私生活で洗剤を使うことが多くなったことが原因です。
僕たちが使っている洗剤の種類は大きく分けて、
石けん
の2つです。
近年では、売られているほとんどの洗剤が合成洗剤です。
意外と知られていませんが、合成洗剤は主成分が油。
この合成洗剤が含まれた家庭からの排水をきちんと行っていないと、海がどんどん汚れていきます。
この問題は、下水処理の技術が向上したことにより改善されつつあります。
しかし、いくら技術が向上しようと、洗剤を大量に使ってしまうと、処理がよけい大変になり、手間がかかります。
洗剤を使って洗う行為自体も、水質汚濁の原因となっているのです。
「住めない場所」が広がっている
水質汚濁は、海や河川で起こりやすいです。
僕たちは現在、河川からの水をろ過して利用しています。
その中に、
処理できない有害物質
が含まれているとどうなるでしょうか。
答えは簡単です。
その土地に住めなくなります。
当たり前ですが、水は生活に必要最低限なものです。
水さえも得られない場所には、人間は住むことができません。
しかも、その被害は人間という枠に収まりません。
もともとろ過もなしにそのまま飲む動物たちにとっては致命的です。
水が汚くなると、その地域の生態系すらも変えてしまいます。
最悪の場合、絶滅する生き物も現れるでしょう。
ナショナル・ジオグラフィックでは、水質汚染によって、
腫瘍をもつウミガメが増加していると報告されています。
水が使えない人が増えてきている
僕たち日本人は、「水に困る」という場面になかなか直面しません。
それはインフラが整備されており、いつでもどこでも安心して飲める水が手に入るからです。
そのせいで、「水が使えない人」が増えてきています。
なぜでしょうか?
それはずばり、僕たちの私生活が原因となっています。
「水の使いすぎ」です。
特に日本では、蛇口をひねれば「飲める水」が出てくるのが当たり前です。
何も考えずに垂れ流しにして使っている人も多いと思います。
でも途上国では、砂漠化などの原因により、水不足が深刻化しています。
「仕方ない」で済む話なのでしょうか。
貧困層は水が全然使えないのに、
富裕層は水を使いたい放題
という状況。
将来的には、豊富だったはずの資源、水を求めて、トラブルが発生するかもしれません。
人口が増加しているなか、この現状に直面していることを、あなたはご存知でしたか?
【水問題】解消への道
国レベルでも、私生活レベルでも、カンタンにできて、なおかつとても効果がある方法があります。
水の「再利用」です。
地域、県、国が行える水の再利用:
一度下水として流した水を処理し、そのまま海に流さずもう一度利用する。
私生活で行える水の再利用:
風呂の残り湯を洗濯用として使う。
ここでなぜ、節水ではないのだろうか?
と考えた方もいらっしゃるかもしれません。
これは私生活で行うべき取り組みです。
蛇口を使う回数&流す量を減らせば、節水に大きく貢献することが可能です。
しかし、これは水の使用量が多い僕たちの生活からだと、大きなストレスとなります。
がまんも大切なのですが、できるだけ使用量は減らしたくない、という方も多いです。
また、地域などの大きな規模で見るとどうでしょうか。
現在のテクノロジー・経済では、水を大量に利用する設備などが多数存在します。より少ない水の使用量で済む設備をつくる技術ができない限りは、節水を行うことは難しいです。
大切になるのは、「即効性」です。できるだけストレスがなく、すぐに効果が現れる方法は、水の再利用だと考えます。
いかがでしたか?
水不足のみならず、環境問題は、一人ひとりの意識で大きく改善できます。
まずはあなたご自身の私生活から、エコライフへ向けての第一歩を歩んでいきましょう!
今見つめるべき環境問題#2~2020/08/02~
【参考文献・サイト】
アオウミガメの腫瘍 原因は水質汚染か | ナショナルジオグラフィック
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/3380/
(2) 洗剤の種類 | 化学物質管理 | 製品評価技術基盤機構
https://www.nite.go.jp/chem/shiryo/product/detergent/detergent2.html
水資源:世界の水資源 - 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/mizsei/mizukokudo_mizsei_tk2_000020.html
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